あーかい あーかい まっかいけ

85歳の母が亡くなった。母の死から教えられたことをすこし聞いてもらいたい。

管轄外の救急車要請

2月16日月曜日の早朝5時半位だったかな、枕元の携帯電話が鳴った。

真っ暗な部屋の中、携帯電話を手探りで取り、着信を見ると母からでした。

こんな時間に何事かと急いで出ると、

「昨日あんたが帰ってからお腹が痛いねんけど」

母の弱弱しい声が聞こえた。

昨日何か悪いものでも食べたっけ?

咄嗟に考えてみたけれど、なにも思い当たるものはない。

そんなことより、

私が帰った後からなら10時間以上お腹の痛みを我慢して、こんな時間に電話してきたってことは、よほどの事だ。

そう思った私は、

「すぐに救急車呼び!」

「でも変なかっこしてるし、、部屋もかたずいてないし、、」

母らしい返事が返ってきた。

「なに言ってんの、

 じゃ今から私が行くから」

「でも電車まだ動いてないのんちがう?」

「車で行くから」

「・・来てくれるか?」

私は今まで車で実家に行ったことは一度もないのですが、

とにかく母を安心させたくて、本気で車を跳ばそうと思いました。

でも、いくら急いでも1時間以上かかるわけで、

「やっぱり、救急車呼ぼう。

 私が電話するから、カギ開けて待ってて」

「わかった・・」

 

急いで119に電話を掛けました。

母は大阪、私は滋賀県

管轄が違うと言われ、なにやら電話番号を調べて教えてくれました。

掛けてみると時間外なのかアナウンスが流れるばかり、

ええーっ、何なんこれ!

どんどんてんぱっていく私は、”困った時は警察だ!”

と110に掛けてみるも、案の定

「それは救急に言ってください。」

と言われ、そんなこと分かってるわ、と心の中で叫びつつ、

教えられた番号がダメだった経緯を話したのですが、警察でもやっぱり

「それは救急ですので」と埒が明かない。

焦りまくっている私は、「わかりました。」と電話を切り、

娘が検索してくれた大阪の救急と思われる番号を掛けてみたりしたのですが、

なかなか大阪の救急に辿り着くことができず、もういちど119へ電話をしました。

この間10分位だろうか、相当焦りました。

救急のほうでも警察から連絡があったのか調べてくれているようでした。

一度も名前を名乗らなかったのに、電話の向こうから「〇〇さんから・・」と私の名前を言いながらバタバタしている様子が伺えました。

大阪の救急電話は分からないのに、個人の名前はすぐ分かるんだ。

と、意地悪な気持ちになりながらも、手を尽くして頂いていることに感謝して、やっと大阪の管轄の救急に連絡することができました。

 

 

管轄外からの緊急要請。

かなり例外なのでしょうか?想定外?

日本にいれば119でどこへでも行ってくれる。

と思っていた私はただの非常識だったのか?とすごく不安になりました。

 

ただ、母は高齢で耳もかなり遠くなっていましたし、何より腹痛で苦しんでいたので私が救急車を呼んだ方が正確に情報を伝えれる。

そう思ったことに間違いはなかったと思っています。

 

いたずら目的で電話する不届き者も多い中、一般市民には解らない問題が山積みだとは思いますが、

日本全国の緊急救急連絡先をそれぞれの消防署が共有する。

難しいことなのでしょうか?

 

 

母のことがあって初めて救急要請のことを真剣に考えさせられました。