粕汁
お通夜は亡くなった日の翌々日木曜日になりました。
そのため丸々1日は母のそばで過ごすことができました。
母も慣れ親しんだ家でゆっくり眠れたことでしょう。
水曜日の朝、何か食べなくてはと台所のコンロにある鍋の蓋を開けると、
日曜日の朝、母が私に作ってくれた粕汁が少し残っていました。
月曜日の夜にスーパーの半額弁当を食べた時一応火は1回通していましたが、
丸3日経った粕汁を姉と姉の娘姉妹とで、お腹を壊してもいいやと覚悟の上で一口ずつ食べました。
母は死んでしまったのに、母の作った粕汁はそのまま存在している。
そのことがなんだか切なく、初めて母を失った悲しみを実感しました。
それでも粕汁はおいしく、最期まで私たちをもてなしてくれました。
おふくろの味に感謝して、たいらげた時には皆笑顔になっていました。