あーかい あーかい まっかいけ

85歳の母が亡くなった。母の死から教えられたことをすこし聞いてもらいたい。

粕汁

お通夜は亡くなった日の翌々日木曜日になりました。

そのため丸々1日は母のそばで過ごすことができました。

母も慣れ親しんだ家でゆっくり眠れたことでしょう。

 

水曜日の朝、何か食べなくてはと台所のコンロにある鍋の蓋を開けると、

日曜日の朝、母が私に作ってくれた粕汁が少し残っていました。

月曜日の夜にスーパーの半額弁当を食べた時一応火は1回通していましたが、

丸3日経った粕汁を姉と姉の娘姉妹とで、お腹を壊してもいいやと覚悟の上で一口ずつ食べました。

 

母は死んでしまったのに、母の作った粕汁はそのまま存在している。

そのことがなんだか切なく、初めて母を失った悲しみを実感しました。

 

それでも粕汁はおいしく、最期まで私たちをもてなしてくれました。

おふくろの味に感謝して、たいらげた時には皆笑顔になっていました。