ただいま
母も救急車で家を出るとき、まさか翌日死んで帰ってくるとは思っていなかったでしょう。
お通夜もお葬式も母がいつもお世話になっていたお寺でお願いすることになり、
お寺の方は母を病院から直接お寺に来て貰ったらいいですよ、
と遠方に住む私たちを気遣って言って下さいました。
母を一度家に帰らせてあげたい。
そう姉も孫たちも同じように思っていました。
マンションのエレベーターなど心配でしたが、家に帰らせることにしました。
和室の仏壇の前で横になった母は大量の点滴のためにとても太って見えました。
それでも苦しさから開放されて、穏やかな顔で本当に眠っているようでした。
ふすまの開け閉めの時、起こさないようにと、そぉ~っと音をたてないようにしている自分に気付いて、ふっと笑いが漏れました。