あーかい あーかい まっかいけ

85歳の母が亡くなった。母の死から教えられたことをすこし聞いてもらいたい。

夢の話

母の葬儀が終わってから満中陰まで、

仕事休みの日は実家へ行き母の遺品の整理をしたり、

銀行や役所などのさまざまな事務手続きに追われていました。

そんな中、一日だけ実家に行かず家でゆっくり出来た日がありました。

疲れていたのか、気が緩んだのか、いつものことか、

久しぶりに二度寝をしてしまいました。

 

そのときの夢のはなしです。

 

 

顔ははっきり覚えていませんが、

オフホワイトのニットのアンサンブルスーツを着た上品な感じの女の人がただ静かに立っていて、

私はその人に

「あんた、生きてんの?生き返ったん?」

と驚いて話しかけています。

が、その女の人は黙って立っています。

私は

〝この子が生き返ったなら、おかあちゃんも生き返ったかも…〟

と、急いで母のもとへ。

行くと母が布団からモゴモゴ動き出していました。

私はそれを見て、家を飛び出し向かいの家のドアをドンドン叩きながら

「姉ちゃん!姉ちゃん!

  お母ちゃん生き返った!

  お母ちゃん生き返った!」

 

という、へんてこな夢です。

 

その女の人が誰なのかその時はすぐにはわからなかったのですが、

話している言葉や雰囲気はとても親しい人のようでした。

 

 

そして思いついた人がいました。

私たち姉妹にはもう一人、妹がいました。

私の2年下の妹です。

生まれて10日で亡くなってしまったのですが

 悦子 という名前の、

母が言うには私たち姉妹の中で一番可愛かったそうです。

 

その悦子が素敵な大人になって、私に会いに来てくれたのでしょうか。

私の疲れた脳が二度寝の中で、忘れていた悦子の存在を目覚めさせたのでしょうか。

 

 

母が亡くなって悲しくて泣く、ということがそれまであまりなく、

私って母親が死んだのに泣かないんだな、と思っていました。

その夢から目覚めたとき、悲しくて布団で一人泣きました。

 

以前にこのブログで、

頭の中で私が私に

〝死ぬって何?〟 

と問いかけてくる。

という話を書いたのですが、

今思えばこの夢を見たあたりから、その声は聞こえなくなった様な気がします。

 

悦子が私に

「おかあちゃんは、死んだんやで」

と教えにきてくれたのかもしれません。